鍼灸院かきたのブログ
明日は立秋
早くも秋の始まりです。
今更ですが・・・。土用の過ごし方について。
一つの季節から次の季節に移り変わる期間を土用と考えます。
〇立春(2月4日)
〇立夏(5月5日)
〇立秋(8月7日)
〇立冬(11月7日)の前の18日間を土用といいます。
土用というと夏土用だけだと思われがちですが、本来はすべての季節の移り変わりの期間の事であり、季節の変化を緩やかに交代させる働きがあります。
身体も衣替えの期間です。
※夏土用は暑さが厳しく特に疲れやすので注目される土用になったのかもしれません。
明日8月7日は立秋で、暦の上では秋となります。
※この日から立冬(11月7日)の前日までが秋。
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夏土用は、室内外の温度差・冷飲食により、特に胃腸障害を起こしやすい時期です。
しかし、東洋医学では全ての土用に於いて土用自体、胃腸が最も疲れやすい季節だということが言われております。
※土用の土は、全ての季節で物を生み出す中心だと言う考えがあるからです。
※土は、臓腑で脾・胃が配当されます。(脾胃は、だいたい身体の真ん中)
脾胃(土)は生きていく上で、氣血(氣と血・精・体を栄養する物質)を吸収して作り、
全身に配る作用をする働きが「脾胃」(胃腸の消化吸収力)にあります。
生まれてからは重要な臓器と考えられ、母胎で形成した「基礎的な生命力・身体(先天の精)」をすり減らすことなく強靭に健やかに成長していくために必要なエネルギーを脾胃が作り出すと考えられており後天の精と言われています。
※先天の精(腎)・後天の精(脾胃)
脾胃(胃腸)は私たちの体を作り、健康を維持するおおもとであり、胃腸で消化吸収された栄養素によって各臓器、全身の筋肉や手足は養われていると言うことです。
ですから、胃腸の調子を整えることは病気を未然に防ぐことにもつながりますし
経絡・経穴で脾経・胃経の流れに不調がある時は特に身体を労わらなければなりません。
また、胃腸では栄養を生み出すだけではなく消化後の糟もできます。
排泄が順調かも病を未然に防ぐには注視すべき点です。
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胃腸のトラブルは、真っ先に肌や口などに現れます。
肌が荒れたり、口の周りに吹き出物が出たり、口内炎が出来やすい。
また甘いものが異常に欲しいときなど、胃腸が弱っている証拠です。
この季節は、この様な症状を訴えるかたが多くいらっしゃいます。
冷飲食・食べ過ぎは胃腸に負担を強いますが・・・。
土用に衰えやすい胃腸を助ける味が、甘い味になります。
その甘さは、お米を咬んだら甘いその味が、最適となります。
それと、甘い食べ物は、体を温めも冷やしもしません。寒熱の歪みがない食べ物として、バランスがとれています。
この2つの点で、お米穀類が、主食となり常用される理由です。
お米と比べると白砂糖は甘味が強く少し行き過ぎです。(古に比べると、味・刺激が濃く強くなっているので丁度いいかもしれません。)
黒砂糖なら、ミネラル、塩辛い味が入り体によいとされます。
同じ甘味に入る食物でも作用は様々です。
土用のウナギ、土用の餅、全て甘い味に属し、胃腸を保護する食べ物となります。
そのほかにも、体を冷やす苦みのコーヒー、抹茶に砂糖やお菓子を添えることで冷やしすぎを抑えてくれます。
古からの食べ合わせをみると、季節・身体に適切な組み合わせになっています。
夏の土用は終わりますが、冬にも土用があります。
これから不調が続く方は次の18日意識して過ごしてみてください。