症例
高熱後の身体の不調(体のこわばり・手足のしびれ・無力感・咳が止まらない)
After
夏に胃炎を起こしてから、微熱がちで常に身体の怠さがあった男性。胃カメラや他検査をするも大きな原因は見つからず過労と診断をされていたそうです。
10月に入り、花粉なのか、鼻喉かぜなのか判らない鼻喉の痛みが続いていたところ中旬に発熱。
病院で検査をするもインフルエンザではなく[腸炎か腎盂炎か]はっきりした原因はわからず。39度の発熱が3日続く状態だったそうです。
休暇を取った日に嘔吐下痢もあり。解熱剤・痛み止めで何とか身体を動ける状態にし仕事へ向かうも朦朧としたなかで日中を過ごし、帰宅後『呼吸がしづらく、手足のしびれ、身体がバキバキに突っ張る』などご自身のからだを持て余す状態で来院くださいました。
※※※※※
元々、色白で血虚。頭痛・鼻出血(事あるごとに出る)
逆上せやすく肘・膝裏周辺にアレルギー様症状がでており身体の内側に熱が籠り、熱処理が追い付いていない状態で日々過ごされているお身体でした。
そこに、身体を動かし汗を流す仕事・夜勤務・深夜の食事・心労。
(まだ、微熱があるにも関わらず緊張の高い細い脉でした。)
季節の変り目で朝晩急に冷えたり、真夏日の様な蒸し暑さだったり様々なタイミングが重なった事で、拮抗を保っていた身体が悲鳴を上げたのだと考えます。
東洋医学の結びつきとして≪心―小腸・腎―膀胱≫表(陽)裏(陰)関係というものがあり、関係が深く病態も影響しやすい考えがあります。
また、心は、身体を動かすエンジンで絶対的な存在です。大きなストレスがあると他の臓腑は、身を挺し心の救助に当たります。
表裏関係である小腸(腸炎・便秘)であったり、近くにある肺(咳をしたり、炎症・鼻水)も影響を受けます。
心のエンジンに対し、身体唯一の潤いを主る腎(エンジンとラジエーターの関係)は、必死に消化活動を行うので、身体中の潤いは熱の消化活動に動員され小便も減り皮膚の潤いも減りカサついたり、筋肉も突っ張ります。
鍼灸治療では、表面にある滞りをとる事から始め経絡(けいらく)を通じ中へ中へアプローチを進めます。
奥底の疲れを取るためには、少々時間を要しますが少しづつでも疲れをとり内側から立て直すことで大きな病になる事を防ぎます。
今。ではなく先の元氣を考えて継続的な治療をすることで平穏無事な毎日となります。
現在、治療継続中です。