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食の養生
昨今、共働きや一人暮らし、忙しい日常などで毎食手をかけバランスを考えた食事を摂る事は
難しくなってきているかもしれません。
また、予想を超える疲労やストレスにより体調を崩すことも多くあり、
食養生のみで不調を立て直す事は時間のかかる事であるとも言えます。
【身体が安定すれば心も安定する】逆も然り
東洋医学では、飲食は後天の精と言われ氣血を生み出し心身を形成する大切な位置づけとされています。
以下に食品の東洋医学的な考えと現代の栄養学の考えを合わせた見解を掲載します。
食品の効果効能が新たに分かれば、随時更新してまいります。
果物
イチゴ【のどの渇き 痛みを鎮め ストレス解消にも一躍】
いちごは、寒性で熱を収める効果があります。
咽の痛み、口が乾くなどの発熱には非常に良いとされています。
※整腸にも効果がありますが、同時に胃腸を冷やし過ぎる事があります。
自然の属性 | |
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寒熱 | 寒 |
臓腑 | 肺 胃 肝 |
五味 | 甘 酸 |
梅【咳を止めたり 下痢を止めたり】
うめの酸味は、収斂の性です。弱った肺や腸の機能回復してくれます。
昔からの健康食とされていますが、誰にとっても良いわけではありません。
氣血の巡りが悪い方、汗をかきにくい方は収斂作用により余計に熱などうっ滞を招く恐れがあります。
クエン酸が血中の老廃物を分解し疲労回復に効果があるのも事実ですので体調に合わせて食してください。
自然の属性 | |
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寒熱 | 平 |
臓腑 | 肝 脾 肺 大腸 |
五味 | 渋 酸 |
みかん【程よい酸味が効果的】
ビタミンCが豊富に含まれる果物
咽喉の渇きや肺を潤し風邪の予防に効果を発揮してくれます。
皮(陳皮)は、少々苦みはありますが余分な湿邪(タン・水分)を取り除き、辛みは氣の巡りをよくするとされています。
乾燥が強くなる冬の時期に重宝されたのがよくわかります。
自然の属性 | |
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寒熱 | 微温 |
臓腑 | 肺 脾 |
五味 | 甘 酸 |
リンゴ【果物の王様は熱を収める】
リンゴは、ヘトヘトで微熱のある方に良い果物です。
甘酸っぱく潤いの性質がありますから、熱を収め火照った身体を癒してくれます。
発熱が落ち着き始めた頃の元気食は、すりおろしたリンゴをお勧めします。
自然の属性 | |
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寒熱 | 平(涼) |
臓腑 | 五臓六腑 |
五味 | 甘 酸 |
柿【冬の二日酔いにどうぞ】
寒性の柿は常に目を使い・気を使い・イライラ・頭が痛い逆上せ気味の方にお勧めです。
アルコールの分解促進作用があり、忘年会、新年会シーズンの二日酔いでお困りの時は柿をどうぞ。
冷やす性質が強いので食べ過ぎは禁物です。
自然の属性 | |
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寒熱 | 寒 |
臓腑 | 心 肺 大腸 |
五味 | 甘 渋 |
レモン【ぎゅっと引き締め疲れをとります】
疲労回復・美白効果など強い味方でもありますが、酸味は収斂(ひき込む)作用が強く胃腸の弱い方、氣血がうつ滞傾向の方はお勧めできません。
肉体疲労、逆上せ、発熱、発汗など身体の外へそとへ出ていき収められない氣血をひき込み疲労回復するには最適です。真夏や冬でも暑い夏の様に汗を流す様なお仕事、スポーツの後は、はちみつレモンがお勧めです。
自然の属性 | |
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寒熱 | 平 |
臓腑 | 胃 |
五味 | 酸 甘 |
野菜
人参【目の働きにA~んです】
β―カロチンが豊富で摂取後、体内でビタミンAに変わる事で目の働きに深く関わるとされています。
胃腸の働きを活発にさせ、食滞や氣の巡りを助ける効果があるともされています。
少々、青臭い感じと甘味に合わせ氣の巡りが良くなる事は元気な子供にはが人参を嫌がる一因なのかもしれません。
自然の属性 | |
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寒熱 | 微温 |
臓腑 | 肺 脾 肝 |
五味 | 甘 辛 |
大根【消化不良の解消に最適】
消化を助けてくれる大根は、主役にもわき役にもなってくれるお野菜です。
消化不良を解消してくれる力が強く便通を良くしてくれます。
【生食は氣を上昇させるが、加熱食は氣を降ろす】と古典文献にはあります。
生食、加熱と上手に使い分けて下さい。
自然の属性 | |
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寒熱 | 涼(平) |
臓腑 | 脾 胃 肺 三焦 |
五味 | 辛(生) 甘(加熱) |
さつまいも【今も昔も便秘を退治】
食物繊維が豊富なのはご存じかと思います。
サツマイモは、アルカリ性食品でビタミンCも多く含まれ加熱に強い特徴を持ちます。
便通を良くしたり、胃腸を丈夫にする特徴がありますが、食べ過ぎると逆効果となりますので程ほどに。
自然の属性 | |
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寒熱 | 平 |
臓腑 | 脾 胃 腎 |
五味 | 甘 |
こんにゃく【からだのお掃除 砂払い】
成分の約97%が水分で栄養価はゼロに等しい食べ物ですが、こんにゃくは内外から身体を調えてくれます。
【体の砂(老廃物)払い】と昔から言われ体内の老廃物を排出し消化不良・便秘の解消に役立ちます。
【こんにゃくシップ】民間療法ですが、温めたこんにゃくをお腹・背中にあてると、冷え切った身体をじっくり温めてくれます。
血流が回復することで内臓筋の緊張も緩和し痛みが軽減されます。
自然の属性 | |
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寒熱 | 平 |
臓腑 | 肺 脾 大腸 |
五味 | 渋 淡 |
セロリ【食べるタイミングがとっても大切】
普段、食べる習慣が少ないお野菜かと思いますがお勧めの食品です。
カリウムを多く含み利尿作用があります。
セロリ独特の香りは「中枢神経安定作用」があり、ストレス解消につながると言われています。
東洋医学でも氣を降ろす効果があり、肝にこもった熱を収めると考えられていますので、日々のストレスによるイライラ、微熱様症状にお困りの方には良い食材だと思います。
但し、涼性で身体の熱を冷ましてくれる作用があるので胃腸の弱い方、妊娠中の方は控えめに。
自然の属性 | |
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寒熱 | 涼(平) |
臓腑 | 肺 肝 脾 胃 |
五味 | 甘 微苦 微渋 |
なす【秋ナスは嫁にくわすな】
寒性であるなすは、氣を降ろし冷やす性質の強い食品です。
夏バテで熱っぽく、逆上せやすい方には最適です。
薬味の生姜を加えると、なすの寒性を和らげることができ胃腸の弱い方、冷え性の方も大きく体調を崩すことなく食していただけます。
秋の涼しい季節に、寒性のなすは身体を冷やします。
妊婦であれば胎児に影響を及ぼすと考えた先人の教えは、守った方が良いでしょう。
自然の属性 | |
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寒熱 | 寒 |
臓腑 | 脾 胃 大腸 |
五味 | 甘 |
魚介類
いか【潤いの性質をもち胃腸を温めます】
様々な種類があるいかですが、いかの甲は烏賊骨(ウゾクコツ)と言う漢方薬で、止血作用があるとされています。
タウリンの含有率が高く肝臓の解毒機能を強化しますので、身だけではなく骨や血に関係する作用があるのも頷けます。
東洋医学では、血液を補強し、肝・腎の機能を回復します。
自然の属性 | |
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寒熱 | 平 |
臓腑 | 脾 肝 腎 |
五味 | 鹹 甘 |
豆類
肉類
穀物
調味料
はちみつ(蜂)【保湿と便通に上手くつかって】
※お子様へはご注意下さい※
はちみつは、胃腸に働き便通をよくする作用があります。保湿性があり乾燥を防ぐとも考えられています。
胃腸が弱く、下痢になりやすい方は、食べ過ぎると不調を引き起こす事があります。
自然の属性 | |
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寒熱 | 平 |
臓腑 | 脾 胃 大腸 |
五味 | 甘 |
砂糖【色で作用が違います】
白砂糖は、肺を潤し、胃腸の痛みを緩和
黒砂糖は、血行をよくし身体を温める
麦芽糖は、肺の機能を高め胃腸の働きを高める
砂糖の色により上記の様な、作用の違いがあるとされています。
しかし、砂糖は甘味で、摂りすぎると体内に余分な水分を溜め込み、余分な熱をこもらせやすい特徴があります。
摂りすぎに注意は必要ですが、脳の働きを助け肝臓の解毒作用に欠かせない調味料でもありますから上手に活用してください。
自然の属性 | |
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寒熱 | 白糖(平)・黒糖(温) |
臓腑 | 肝 脾 肺 |
五味 | 甘 |
塩【少なすぎても不調になります】
塩は、身体の正常機能を保つ為には欠かせない調味料ですが、
塩分の多い食事が続く事で口が乾き、むくんだり血圧が上昇する事があります。
東洋医学では、身体にこもった余分な熱を収め、解毒作用を持つと考えられています。砂糖と逆ですね。
自然の属性 | |
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寒熱 | 寒 |
臓腑 | 胃 腎 大腸 小腸 |
五味 | 塩味 |